2007年11月01日
かっこわるくて悲しい話
勝敗も大切だが、みんな「かっこいいプレイ」をしたいと思っているはずだ。
試合に負けても一つでもメチャ「かっこいいプレイ」ができて観客席から「オー」の声が聞こえれば、満足のいく敗戦となるかもしれない。
逆に「かっこわるいプレイ」は悲しい。
たとえば、スマッシュのマジ空振りとか、アームの部分にボールが挟まったのに気がつかずにキョロキョロボールを探しちゃうとか。
「かっこわるいプレイ」は悲しい。
突然だが、ここで過去に修行僧の見た「かっこわるくて悲しいプレイ」のベスト3を発表したい。
第3位
昔、修行僧が通っていたスクールに新しいおじさんが入ってきた。
その手には何とウッドのラケットが握られていた。修行僧をはじめ全員の目が釘付けとなった。
おじさんの上下安物のジャージを見る限り、特にこだわりがあるわけじゃなく、とりあえず押入れにあった奴を持ってきたみたいだ。
最初は球出しのストローク練習だ。
そのおじさんの番がまわってきた。
「あのウッドのラケットからどんな球が放たれるのか」全員の目がおじさんに集中した。
「ボキッ」
ボールを打ったとたんシャフトの真ん中から真っ二つだ!
グリップだけになったラケットを呆然と見つめるおじさん。
先端部分を拾ってとぼとぼ帰っていく姿にコーチも声を掛けられなかった。
おじさんは二度とスクールに来ることはなかった。
第2位
やはり昔、修行僧が通っていたスクールに「さんちゃん」と呼ばれる青年がいた。
本名は「三宮」なのだが、出っ歯で「明石やさんま」にちょっと似ていたので、みんな「さんちゃん」と呼んでいた。
だから本人も大分県出身のくせに「おおきに~」とか関西弁をしゃべくり「さんま」になりきろうとしていた。
「さんま」が彼のキャラになり人気者になっていた。
テニスの腕前はさんまの歌唱力なみだったが、一生懸命練習していた。
ある日スクール生同士でストロークの練習をしていた。
彼のフォアはゴリゴリのスピンだ。
この練習の時も「どうだっ」とばかりスビンをかけようとムダにラケットを振り上げていた。
修行僧はちょうどその場面を見ていた。
相手のストロークが「さんちゃん」の深いところに入り、くいこまれながら振り上げたラケットの先端が自分の顔に激突するのを。
その場にうずくまった彼をみんなが取り囲む。どうも口にあたったようだ。
「痛ぇ~」押さえていた口から離した彼の手の中には折れた血だらけの出っ歯が二本あった。
その顔はもう「さんま」に似ていなかった。
それ以来「さんちゃん」は「さんちゃん」と呼ばれなくなり、スライスしか打てない無口な青年に変わった。
いま彼どうしているのかなあ?
また長文になっちゃったので、栄光ある第1位は次の機会に。
ちなみに修行僧もウッドのラケットを持っている。Wilsonの奴でとてもべっぴんさんだ。
飾りガットもちゃんとついている。
(「スムース」と「ラフ」って飾りガットの裏表のことって知ってました?)
試合に負けても一つでもメチャ「かっこいいプレイ」ができて観客席から「オー」の声が聞こえれば、満足のいく敗戦となるかもしれない。
逆に「かっこわるいプレイ」は悲しい。
たとえば、スマッシュのマジ空振りとか、アームの部分にボールが挟まったのに気がつかずにキョロキョロボールを探しちゃうとか。
「かっこわるいプレイ」は悲しい。
突然だが、ここで過去に修行僧の見た「かっこわるくて悲しいプレイ」のベスト3を発表したい。
第3位
昔、修行僧が通っていたスクールに新しいおじさんが入ってきた。
その手には何とウッドのラケットが握られていた。修行僧をはじめ全員の目が釘付けとなった。
おじさんの上下安物のジャージを見る限り、特にこだわりがあるわけじゃなく、とりあえず押入れにあった奴を持ってきたみたいだ。
最初は球出しのストローク練習だ。
そのおじさんの番がまわってきた。
「あのウッドのラケットからどんな球が放たれるのか」全員の目がおじさんに集中した。
「ボキッ」
ボールを打ったとたんシャフトの真ん中から真っ二つだ!
グリップだけになったラケットを呆然と見つめるおじさん。
先端部分を拾ってとぼとぼ帰っていく姿にコーチも声を掛けられなかった。
おじさんは二度とスクールに来ることはなかった。
第2位
やはり昔、修行僧が通っていたスクールに「さんちゃん」と呼ばれる青年がいた。
本名は「三宮」なのだが、出っ歯で「明石やさんま」にちょっと似ていたので、みんな「さんちゃん」と呼んでいた。
だから本人も大分県出身のくせに「おおきに~」とか関西弁をしゃべくり「さんま」になりきろうとしていた。
「さんま」が彼のキャラになり人気者になっていた。
テニスの腕前はさんまの歌唱力なみだったが、一生懸命練習していた。
ある日スクール生同士でストロークの練習をしていた。
彼のフォアはゴリゴリのスピンだ。
この練習の時も「どうだっ」とばかりスビンをかけようとムダにラケットを振り上げていた。
修行僧はちょうどその場面を見ていた。
相手のストロークが「さんちゃん」の深いところに入り、くいこまれながら振り上げたラケットの先端が自分の顔に激突するのを。
その場にうずくまった彼をみんなが取り囲む。どうも口にあたったようだ。
「痛ぇ~」押さえていた口から離した彼の手の中には折れた血だらけの出っ歯が二本あった。
その顔はもう「さんま」に似ていなかった。
それ以来「さんちゃん」は「さんちゃん」と呼ばれなくなり、スライスしか打てない無口な青年に変わった。
いま彼どうしているのかなあ?
また長文になっちゃったので、栄光ある第1位は次の機会に。
ちなみに修行僧もウッドのラケットを持っている。Wilsonの奴でとてもべっぴんさんだ。
飾りガットもちゃんとついている。
(「スムース」と「ラフ」って飾りガットの裏表のことって知ってました?)