2007年10月06日
スティッチ、サンプラス破る!
私にとってのスティッチ(Stich)とは、ジャンバ・ジュキーバ博士の造った試作品626号ではなく、ミヒャエル・シュティヒ(Stich)である。
この当時に帝王フェデラーに通じるオールラウンドプレイを完成させていたマイフェバリットプレーヤーの一人である。
1991年のウィンブルドンで、シュティヒはボリス・ベッカーとテニス史上初の「ドイツ対決の決勝」を戦い、1歳年上のベッカーを 6-4, 7-6, 6-4 のストレートで破って4大大会初優勝を飾った。女子シングルスではシュテフィ・グラフが優勝したことから、このウィンブルドンは2年ぶりの“ドイツ・アベック優勝”と呼ばれた。
また、1992年のウィンブルドンではジョン・マッケンローとペアを組んだ男子ダブルス決勝でジム・グラブ&リッチー・レネバーグ(ともにアメリカ)組と歴史的な名勝負を繰り広げ、5-7, 7-6, 3-6, 7-6, 19-17 のスコアで優勝を飾った。試合時間「5時間1分」は、ウィンブルドン男子ダブルス決勝の史上最長時間記録である。
私はこのダブルスの決勝戦をTVで見た記憶があるのだが、ファイターのマッケンローと対照的にシュティヒはとにかく「いい人」だった。
永遠に続く最終セット、マッチを握ったポイントでミスショットをしてラケットを投げつけて悔しがるマッケンローとその横で静かに微笑んでいるシュテッヒ!
1993年の男子テニスツアー年間最終戦、世界ランキング上位8名で行なわれるマスターズ・カップで、シュティヒは決勝戦で当時の世界ランキング1位、ピート・サンプラスを 7-6, 2-6, 7-6, 6-2 で破り、このビッグタイトル獲得により世界ランキングを自己最高の2位に上げた。
その感動的な試合の動画がこれである。
(余談だが上着をピチピチパンツの中にいれたこのテニスファッションを当時は皆カッコよか~と思っていた)
人のよさが災いしたのか以降4大タイトルを手にすることはなかったが、現在はシニアツアーで活躍中とのとである。
また、マッケンローとのダブルスを見てみたいものだ。